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朝鮮観光

朝鮮"食"の魅力を紹介します!


朝鮮といえばキムチ!

 この春、朝鮮で食事をしながら一番思ったことは、食卓に登場するキムチの味が酸っぱかったことだ。これはキムチの旬が終わりに近づいたことを指す。
 ある日食堂に入り、いつものようにキムチを注文。食べてみると酸味が強い。姉の家に行ったときも白菜キムチが出たが、これもやはり酸っぱい。
 姉は「もうこれで最後になるわ。そろそろ水キムチをつけなきゃ」と言っていた。姉の家でキムチをつけていた瓶をのぞいてみたところ、もうすでにキムチはなく、他の小ぶりな容器に入れ替えていた。
 朝鮮半島では冬場の野菜を確保するため、11月頃からキムチを漬け始める。これを「キムジャン」(2013年12月、ユネスコ無形文化遺産に登録)と言い、北から1ヶ月ほどかけてキムチ漬け作業が行われる。

キムチ
 秋に採れた野菜をキムチとして大量に保存し、冬の間に食べるのを目的とした作業だ。3月になると発酵がだいぶ進み、最終的には乳酸菌よりも酢酸菌が優勢になり、その結果、酸味が強調される。酸味のきいたキムチもいろいろな料理に応用できるので、われわれの食事に最後までなくてはならない食べ物といえる。
 2006年に米国の雑誌「ヘルス」が世界5大健康食品の一つにキムチを選んだ。キムチには乳酸菌がヨーグルトより数倍多く含まれていることが知られ、さらにダイエット効果、免疫力増強、乳酸菌によるGABAというアミノ酸が増えることで脳の活性化につながることもわかってきた。
 食卓にさまざまな料理が並ぶなかで、朝鮮ではキムチは最低1種類、ときには数種類も用意されることがある。なかでも白菜キムチ、大根キムチ、水キムチ、などが代表といえる。水キムチに似ているキムチでトンチミ(冬漬)というのがあり、これは白菜を丸ごと食塩に漬けたものを指す。水キムチはナバクキムチとも言い、野菜を短冊に切るという意味が含まれている。つまり水の中に漬かっているキムチということで、便宜上、水キムチというようになったようだ。
 このように朝鮮料理には主材料、調理法、できあがった料理の状態などで名前がつけられることもあって食べるだけじゃなく、そのネーミングを聞いても楽しい。(金貞淑)

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