朝鮮切手の新たな魅力に出会う

リニューアルした朝鮮切手博物館

平壌の人気観光スポットとしても知られる朝鮮切手博物館(中区域)が約10年ぶりにリニューアルされた。
従来の2回建てから3階に増築され、2倍超に拡張された展示スペースでは、朝鮮で1884年から現在まで発行された切手をダイジェストで鑑賞しながら、その発展過程のみならず朝鮮の歴史を一目で学ぶことができ、従来とは一味も二味も違った朝鮮切手の楽しみ方を提供している。

2003年4月の開館以来、朝鮮切手の紹介と保存の役割を担ってきた同館。
今回のリニューアルの最大のポイントは増築した3階の展示室だ。従来は2階に年代別に切手を並べただけのシンプルな展示だったが、リニューアル後は、2階は切手や葉書などの物販コーナーにした一方、3階に本格的な展示を設けた。

3階展示室では、15のテーマに沿ったパネル展示で、切手を通じて朝鮮における古代から近代にかけての情報通信の発展過程、朝鮮の歴史を体系的かつ論理的に伝えている。
朝鮮でこれまで発行された切手6300種のうち、朝鮮初の切手「文位郵票」(1884年11月18日発行)、祖国解放後に初めて発行された三仙巖やムクゲをモチーフにした切手(1946年3月12日発行)など代表的な切手のほか、当時出された葉書などの郵便物、切手発行に用いられたリトグラフ金属板などの遺物、さらに世界的な切手展覧会で授与された賞状、トロフィー、メダルなども展示されている。
また、金正日総書記自身が青少年期に収集した切手アルバム4冊など、ここでしか見ることのできない貴重な代物も並ぶ。

15のパネル展示はストーリー性があり、観る者を朝鮮切手の世界にみるみる引き込んでいく。

第2〜4パネルまでは、1900年に初めて朝鮮で印刷された「梨花普通郵票」などの国宝切手を展示。

しかし1905年以後、朝鮮切手は日本による植民地支配で発行が禁止される。
第5パネル「日帝による朝鮮切手の抹殺」では、植民地期に朝鮮で実際に使用された切手と共に、後に発行された朝鮮人民の抵抗の歴史を伝える切手などが並ぶ。
第8パネル「戦勝の力強い主動者」では朝鮮戦争における郵便通信の役割を、第10パネル「社会主義基礎建設の誇らしい成果」では党第6回大会で提示された社会主義経済建設10大展望目標をモチーフにした切手10種などを見せ、第14パネル「社会主義強国建設の荘厳な画幅」で展示は締めくくられる。

ファンは垂涎ものの切手を一挙に鑑賞し、また朝鮮初心者は切手を通じて朝鮮の歴史を網羅的かつ手早に学ぶことができる。

楽しみ方は人それぞれだ。
博物館では常設展示のほかにも、新しい切手を展示するコーナーをはじめ季節ごとのテーマ展示も計画しているという。

リニューアルにあたって朝鮮切手社では6300種におよぶすべての切手の情報(発行年月日、サイズ、作家、発行部数、価格)をデータベース化した。
来館者は2階物販コーナーに設置されたタッチパネルで見ることができる。