朝鮮の「食文化の今」を知る

国内最大の料理イベント「太陽節料理祭典」

近年、朝鮮では食文化の発展を目的とした分野別の様々な料理コンテストが行われている。
金日成主席生誕記念日に際して毎年、平壌で開かれる「太陽節料理祭典」(主催=朝鮮料理協会)は国内最大の料理イベントだ。
在外同胞や外国人観光客らも見学することができる。

4月2〜4日の3日間にかけて行われた祭典では、政府機関や平壌の有名店、各地の飲食店など90以上の組織の参加の下、1000余の様々な料理と飲料が出品されたほか、功勲料理師による模範演技、プロや大学生が腕を競い合うコンテストなど盛りだくさんの内容で催された。

全国の有名店による名物料理と課題料理の展示コーナーでは、メインディッシュからデザートまで、色とりどりに盛り付けられた美しい料理の数々が並んだ。
伝統的な朝鮮料理に創作料理、はたまたピザにハンバーガー、ロコモコ風の「鉄板ピビムパ」もある。

祭典のメインイベントは、名店の料理師たちが魚の切り方、 盛りつけ方などを競う刺身コンテスト。
平壌高麗ホテルや普通江ホテル、平壌ホテルなどから出場した。

フグ、ライギョ、カワゴイの3種類から食材を選び、観衆を前に生きたまま調理。
国内屈指の料理師たちがピチピチ跳ねる魚を鮮やかな包丁さばきで切り分けていく。

同祭典をはじめ数々のコンテストを総なめにしてきた実力者、平壌高麗ホテルのキム・チョルヘさん(54)は「朝鮮ではワサビではなくチョ(酢)コチュジャンにつけて食べる。とくに淡水魚の場合は臭みを完全に吸収してくれる」と説明した。

料理に関する様々な科学技術成果を展示したコーナーでは、各地の飲食店などが独自に開発した調理技術や食材の加工法、調理器具
などを、実物とパネル、映像で紹介。朝鮮における「食文化の今」を多方面から知ることができる。