冷麺ブームに乗り遅れるな!南北融和の立役者、平壌冷麺を体験

4月27日、人々が歓喜の渦に包まれた金委員長と文大統領の歴史的な南北首脳会談。

融和ムードに一役買った立役者の1人、いや1つがずばり冷麺だ。

文委員長との会話の中で金委員長が話した
「やっとのことで遠く平壌から冷麺を…、あぁ遠いといったらダメですね」
という言葉は瞬時にトレンドワード入りした。

晩餐会では「元祖」の味を伝えるため、
わざわざ平壌・玉流館で使っている製麺機を統一閣に設置し、首席シェフが直接麺を打ったという肝入り。

そして4月27日以降、冷麺を食べたいという人が激増。
南朝鮮では平壌冷麺を提供するお店には長蛇の列が出来て、嬉しい悲鳴が聞こえているという。

SNSを見ても、「今日、念願の冷麺を食べてきました!」というような投稿を見る機会が格段に増えた。

そんな空前の冷麺ブームが起こっているなか、7月7日「朝鮮旅行友の会」が「平壌の味が受け継がれているお店で、本場の冷麺を学ぶ」と題して第3回セミナーを催した。

 

◯庶民から王様までが愛した冷麺

JR浅草橋駅から徒歩1分の場所にある平壌冷麺サンムーン浅草橋店に着くと、お店は2階にあるはずなのに階下でなにか賑わっている。

近づいてみると、皆さんサンムーンの看板に釘付けの様子。看板には「本場焼肉/平壌冷麺」の文字が。「美味しそう」、「楽しみね」と口々に発する皆の表情の明るいこと明るいこと。

少年少女のように瞳をキラキラさせながらセミナー開始を待っていた。
階段を上りお店に入ると、待合室にもセミナー開始を今か今かと待つ人々の姿が。その数は20人を超していた。

サンムーンは平壌の高麗ホテル直伝の冷麺を受け継いでいるということで、さらにその期待は高まった。

いざセミナーが始まると、参加者らの表情は一気に真剣モード。
講師を務めた金才順氏が配布した資料に目を通しながら、へぇーと驚いたり深く頷いてみたり。

金氏が話した内容は冷麺の歴史に始まり、豆知識や面白話など多岐にわたった。

平壌にある玉流館で振る舞われている冷麺は、実は平壌冷麺とチェンバンクッスという2種類がある。

その違いは粉の配分量。

平壌冷麺はそば粉100%で麺が打たれるのに対し、チェンバンクッスはそば粉とじゃがいも粉が半々という話や、昔から<<언제 국수 매겨주냐?>>(いつ冷麺食べさせてくれるんだ?)という言葉は暗に「いつ結婚するんだ?」という意味で使われていたという話、冷麺はかつて冬にオンドルが入った暖かい部屋で食べるものだったが氷が発達してからは夏の食べ物になったという話、さらには片手には冷麺スープが入ったやかんを持ち、もう片方の手には器に盛った冷麺20食を持って24kmを自転車で走るという冷麺配達自転車競争なるものがその昔行われていたという、にわかには信じがたいような話まで飛び出すと、会場は笑いに包まれた。

待ちに待った冷麺の試食に入ると、参加者たちはもう待ちきれない様子。

初めて平壌冷麺を食べるという女性は講師の金氏にどう食べるのが一番美味しいかと冷麺の通な食べ方を教わり、お酢を麺に直接かけながら食べていた。

その友人女性は南朝鮮で食べたものとまた違うと驚いた様子だった。

閉会に際し、朝鮮旅行友の会代表の池内氏が挨拶し、「南北の融和ムードが醸成された今、次は朝日の融和ムードも盛り上げていきたい。近くて遠い国から近くて近い国へ、そして近くて親しい国になればと思いながら、少しでも朝鮮を身近に感じられるようこの友の会が活動していければ」と語った。

焼肉・平壌冷麺サンムーン浅草橋店
東京都台東区柳橋1-12-8 TAKビル2F
03-5822-5516

記事提供:商工新聞社