訪朝日記 「朝鮮革命の聖地、白頭山を訪れて」


 私は長年にわたって中国との経済貿易の仕事に携わってきましたが、2002年の日朝平壌宣言発表を契機に、朝鮮訪問を決意しました。

2004年に初めて平壌を訪問しました。
それ以来、妙香山、南浦、羅先、元山、金剛山、開城、板門店などに行きました。
今年6月の「白頭山登頂を含む6日間の旅」の旅行案内を中外旅行社からもらい、すぐに参加を申し込みました。

今回一行はちょうど10人(除く中外旅行社の世話役)。平壌到着の翌日、国内チャーター便で一時間半、三池淵空港に到着、そのまま白頭山を目指しました。

この日は爽やかな天候(気温19℃~25℃)に恵まれ、朝鮮の最高峰(2,750m)で、古来「聖なる山」として朝鮮民族に崇められてきた白頭山に順調に登頂することができました。
山頂はさすがに防風アノラックが必要。内外の観光客が盛んに記念写真を撮る中、神秘なカルデラ湖「天地」をはっきり眺望することができました。
山襞にはまだ雪渓が残り、裾野にはエゾ松の原生林が広がる雄大なパノラマを満喫。
新鮮な空気、新緑の原野、真っ青な空、「地球はこんなにも良いところなのか」と実感させられました。

下山後、密営史跡、鯉明水の瀧見学し、三池淵のペゲボン(枕峰)ホテルで一泊。
焼きジャガイモなどの地方料理の夕食を楽しみました。
翌日は金日成主席の銅像のある三池淵大記念碑など参観し、平壌に戻りました。

四日目(日曜日)、初訪朝の団員たちは板門店・開城に行き、私たち4人は安州へ行きました。
日本人旅行団が安州を訪れるのは初めてのことと聞きました。
安州は平壌の北100キロ、清川江の南岸に発展した都市で、高麗時代に契丹の侵入から平壌を守る役割を果たしたそうです。
観光の目玉「百祥楼」を訪れました。

安州城の高台にある楼閣で、百の景色をめでる楼閣として有名であり、「関西第一楼」とも呼ばれています。もともと木造建築でしたが、朝鮮戦争の時米軍の空爆で焼失、現在の楼閣は1977年に再建された鉄筋コンクリート製。
ちょうど地元の新婚夫婦と親族が結婚の記念写真を撮るために来ており、私たちも一緒に写真に入れてもらいました。
新郎は背広姿、新婦はチマチョゴリの正装で幸せそうな表情。
新婚さんの未来が「百祥」ならんことを祈りました。

最後の思い出は平壌で朝鮮の少年少女と囲碁を楽しんだことです。
市内にあるテコンドー聖地館(武道館に当たるような体育施設)で全国アマ囲碁大会が開催中でした。
小学生、女子、成人男子、老人などの部に分かれ熱戦中でした。
会場の一室で17歳の少女(清津から来たアマ3段)、14歳の少年(アマ2段)とそれぞれ一局ずつ対戦しました。
全力で対局したものの、私の全敗に終わりました(残念!!)。
「どこで習ったの?」と聞くと、二人とも少年宮殿(学生の課外活動のために設置されている公共施設)で教わったとのことでした。
日本の囲碁愛好者の皆さん、朝鮮の人々も囲碁を楽しんでいることがわかりました。

中外旅行社は団体旅行の合間に個別要望も可能な限りアレンジしてくださるのです。
今後ともよろしくお願いします。

(東京都在住 70代男性)